KR女史へのインタビュー(34)
「SITHホ・オポノポノ」の創始者、モーナ・ナラマク・シメオナ女史の一番弟子で、世界中でもっとも長くクリーニングをしているといわれるKR女史にお話を伺いました。
※今回はKR女史のインタビュー(33)の続きです。
必要なのは謙虚さとニュートラルであること
―― 前回、「ビーチの目の前の土地を購入したのに、10年もほったらかしで焦らないの?」というお話までお聞きしました。ビジネスをしている上では、踏みとどまるだけでは済まないことも多々ありますよね。どんな風にクリーニングするのですか?
KRさん 「焦らない」わけでも、ほったらかしでもないんです(笑)。「何とかしなくちゃ!」と焦る気持ちが出てきたとき、「何も進んでいない」という判断や、現状に対する不満などをすべて記憶の再生としてクリーニングするんです。
この世に存在するものすべて、一つひとつに存在する目的とアイデンティティがあります。それはビーチや土地でも同じことです。なので、「この存在のアイデンティティは何だろう?」「何のために存在しているのだろう」と内省しながらクリーニングをして、それぞれの存在を尊重するんです。私の思いをクリーニングすること自体が、既にその土地の目的なのかもしれません。どの記憶がどんな現象を生み出しているのか、誰にも知りようがないからです。クリーニングをすることで、私自身にも家族にも何かしらの恩恵がある。「何が何でも前に進めようとしない」という謙虚さと、ニュートラルな状態が必要なんですね。クリーニングそれ自体が生きがいでもあります。現実的に何かが動いているわけではなくても、たとえ停滞しているように感じる時でも、「何もできていない」「物事が停滞している」という判断、記憶の再生に気づいてクリーニングするということなのです。
人間関係で生じる感情も記憶の再生
―― さまざまな人と関わる中で、「この人とはいつも深く対話できる」と感じる関係性や、「いつも何かが引っかかってうまく理解し合えない」と感じる関係性など、本当にいろんな記憶が表面化しますよね。たとえば「この人とは必ずもめる」という判断をクリーニングしたり、「苦手だな」という感情をクリーニングしたり。どんなことでも何らかの助けになっているわけですね。
KRさん クリーニングの神秘ですよね。その時はどんな意味があるのかわからなくても、深遠な何かが隠されている。あるときはスムーズに事が運ぶし、あるときは大騒ぎになる。
今、ひとつ感じたのは、私が皆さんの個人セッションをする中で、「苦しいけど、この関係をクリーニングするために一緒にいるんだからしょうがない」「苦しい間はずっとここにいなくちゃいけない」と思い込まれている方がとても多いということです。いつもお伝えしているのは、「どんな時も苦しむ必要はない」ということです。クリーニングをして、「去る」というインスピレーションがあるなら、去ればいいんです。「理想的なゴール」のようなものを設定して、その達成のためにクリーニングをするのではなく、とらわれないことが大切なんですね。
―― 自分がおかれている今、この瞬間、状況をクリーニングすることですね。
KRさん 自分以外のもの、記憶に動かされていると、本当の自分からは離れていくばかりです。クリーニングとは、自分を取り戻す作業であり、生きがいであり、それが結果、自分を知ることにつながるのです。
「自分を知る」という行為は、玉ねぎの皮をむくようなもの。毎日、毎瞬、インスピレーションにつながって、導かれていくプロセスの中で、自分を知るわけです。感情に溺れすぎたり、思考にとらわれたりすると、自分をがんじがらめにして動けなくなってしまいます。そうではなく、いつも「今この瞬間」に自分自身の中心に戻ること、そして平穏を取り戻すことです。
思い込みや感情から自由になる!
―― たとえて言うなら、目の前にニンジンがぶら下がっているときに、ニンジンにとらわれないということですね。ニンジンに心を奪われ過ぎていると、クリーニングにならないですよね。
KRさん そうそう! 目の前にニンジンがぶら下がっていない人なんていないですよね(笑)。それでたいてい、「このニンジンを手に入れるには時間がかかりそうだな」とか「いつまで経ってもニンジンとの距離が縮まらないなー」とか、「あ~! またニンジンが逃げていく~!!」なんて思ったりしています(笑)。この状況をホ・オポノポノ流に言い換えると、ニンジンに対して出てくる感情や思い込み、判断をクリーニングして、ニンジンに委ねるんです。そして実は、「目の前にあるニンジンを追い続けている」という状況そのものが思い込みで、もう「ずっと長いこと手にニンジンを握りしめていた」と気づくかもしれません。私たちは案外、「どんなことでもニンジンを得るには時間がかかるものだ」と洗脳されています。いつまでも手に入らないものを追い続けるのも苦痛です。ニンジンを管理しようとせず、ただ起きること、目の前のことをクリーニングするだけで流れが出てくるものです。
―― それはビジネスの場であっても同様ですか?
KRさん 同じことです。「ビジネスとはこういうものだ」という思い込みをクリーニングしたいですね。多くの素晴らしいビジネスマンが、目標設定をして企画書を提出して実行し、評価をし、改善するという一般的なルールに則った中でクリーニングを適用していますよ。どんな状況であってもすることは同じ。そして、「ビジネスとは苦しいものだ」というのも、ひとつの思い込みですよね。私は自分自身の不動産業が大好きなので、趣味のように楽しいことなんです。とはいえ納税の時、税務署で「これは趣味なのよ」なんて、わざわざ口に出して言ったりはしませんけどね(笑)(次回に続く)
(インタビュー:高木 みのり)
(『元気な暮らし』2019年5月号掲載)
KR女史(Kamaile Rafaelovich)
SITHホ・オポノポノ代表。19歳からホ・オポノポノを実践、クリーニングを主体とした古代ハワイアンマッサージのスペシャリストであった故モーナ女史より直接教えを受けた数少ないボディワーカーの中の一人。
当記事に関して
※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
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