KR女史へのインタビュー(47)
今回は、創始者モーナ・ナラマク・シメオナ女史の一番弟子で、世界中でもっとも長くクリーニングをしているといわれるKR女史にお話を伺いました。
泣き叫びながらでもクリーニングはできる
―― 今回の講演会は「今こそベストタイミング」というテーマです。
今が苦しくて葛藤や問題の中にいるというときでも「ベストタイミング」としてクリーニングするにはどう捉えたらいいですか?
KR女史(以下、KRさん) 私たちって過去の出来事や未来への心配に囚われがちだけど、カラダが存在しているのは、「今この瞬間の、ここ」にしかない。だからどんな状態の中でも「今、内側で何が起きているのか」を内省する。ホ・オポノポノで大事にしているのは「今」なの。
―― 私はすぐに飛びついて行動に移す傾向があるので、何事も「今こそベストタイミング!」と飛びつかずに、まずクリーニングだなぁと感じました(笑)。
KRさん でもそれって、あなたが昨日のうちにクリーニングを済ませているからこそ、「今だ!」と飛び込めるとも言える。次につながっていくのだから素晴らしいことよ。そう感じたところからクリーニングして進めることもできますよね。
―― なるほど!「飛びつくのは悪い」というジャッジと自責をクリーニングします!アクションを起こした次の「今」もクリーニングし続けることですね。
ところで今、KRさんがいらっしゃる素敵なオフィスは、かつて薬物の取引やギャンブルが横行する危険な場所で建物もボロボロの「いわくつき」だったとか。それが今では地域全体がノースショアとして繁栄していて記憶が消去されることの可能性を感じます。でもそんな物件だと普通は近づくこともしないと思うんです。どんな経緯で購入に至ったんですか?
KRさん 当時、株価が暴落した影響から、私自身もお金の心配と強迫観念で「わーーっ!」と叫びたくなる状態でクリーニングしていたの。それが落ち着いたある日クリーニングをしてパソコンを開けたら、この物件が売りに出されたところでね。問い合わせたら売主が「購入を決めていた人のローンが降りなくて広告を出したけど、あなたが相応しいと思うから取り下げるわ」って。社交辞令とも感じたけれど不思議な流れで購入しました。
つまり人って大金を得ても失っても感情が動くのに、そこを見ないですよね。でも原因の記憶をクリーニングしたいのだから、出来事に対する自分の反応から目を背けないこと。ちゃんと今ここにある感情に正直になって吐き出すことをゆるしてクリーニングを続けたからこそ、自然な流れで出合えたのかもしれません。もちろんクリーニングで落ち着くこともあるから一概には言えないけれどね。
―― 「ネガティブな感情は悪い」「常に穏やかでいるべき」とジャッジして溜め込むとウニヒピリの重荷が増えますよね。認めてゆるしてクリーニングを続けて、結果は委ねるのが救いになります。でも感情のエネルギーが強いと振り回されて難しさを感じます。
KRさん 「激しい感情を抱えていたらクリーニングできない」というのは思い込みで、イライラしてバカヤロー!って叫びながらでもクリーニングはできるでしょ(笑)?
お金を損したということに執着していると盲目になるけど、じつは投資する前にクリーニングを忘れていたかもしれない。結果だけではなくて、プロセス一つひとつをクリーニングすることが大事なんです。
―― 丁寧に細かくですね。
岩もお家もお金もリスペクト
―― その後どのように今の状態に至ったんですか?
KRさん 購入してからもしばらくは怖い思いをしたし、確かにあちこち水漏れしてすきま風が入る古い建物だったけど、ファンキーで十分素敵な家だったから12年そのままの状態でクリーニングを続けました。「修繕しなくちゃダメ!」という先入観やジャッジで行動しないで、この不動産の可能性を狭めないように「エゴで流れを止めてない?」「無理強いしていることは何もない?」と内省しながら自然な流れに任せました。
更地だった所は、「日本庭園みたいに大きな岩があるといいね」と息子と話して周りに声をかけていたら、「あるけど要る?」と言ってクレーンで運んでくれる人が現れたの。どこに置くかは岩自身が決めたんですよ。クレーンから岩を下ろしたら勝手に転がって、完璧にフィットする場所に落ち着いたんです。
―― 土地・建物・岩のアイデンティティを侵さず内省して、敬意を伝えて任せることで美しく整っていったのですね。
KRさん ジャッジや思考で何かを取り組まないように努めたけれど、間違えたり固執から行動して痛みを伴うこともあるし、現実はキレイごとだけじゃないですけど(笑)。
同業の友人は、いつも物件に「お世話をする人を募ってもいい?」「リノベーションはどうしたい?」と尋ねていて、売買では12ステップをして「お世話をしたい人はいますか?」と宇宙に伝えているそうです。お金のクリーニングも大事で、自己資金も担保も借入も売上も含めて、「利益の正しい使い方を教えてください」と神聖なる存在に伝える。どんな存在もリスペクトしたいですよね。
―― 心が洗われます。
「自分がやる」のコントロールは危険信号
KRさん ところで最近、何かに躓いてどこかをぶつけるときは、その土地にまつわる誰かや何かに縁があるからこそ「クリーニングよ」と逃さないよう教えているんだと気づいたんです。躓いた原因を探しても本当のところは誰にも分からない。訪れた場所とのつながりも次元ごとクリーニングすると、分かり得ない深みが出てきます。表面的にはお金を媒体として土地の売買をするときも、あなたが文章を書くときも、敬う気持ちで行うことが大事ですよね。
―― 確かに文章を書き進めるときも仕事でも、インスピレーションにリードしてもらいます。ひらめいて実行するエネルギーがスムーズに運んで循環していると神聖なる存在とのつながりを感じます。何もひらめかない自分を責めていたとき、内省とクリーニングで「私の役割ではない」と気づいて退くこともありました。
KRさん 自分自身に「クリーニングしているよ」と言い聞かせて、会社のアイデンティティさんに「どうしたらいい?」「正しい行いを教えてください」と話しかけることも必要ですよね。
私が家を建てたとき、ペンキの塗装で20社近くの業者に相見積もりを出したのですが、かかる期間も費用も折り合いが合わなくて停滞したんです。そんなときイハレアカラ博士から、「KR、自分で業者を探そうと躍起になっているけど、家自身で探せるんだから大きなお世話じゃないの?」と言われてね。お家さんに「ごめんなさい。あなたの希望を叶えてくれる業者を見つけてね」とお願いしたら、3日後には業者が決まってあっという間に解決しました。つまり、私たちは「クリーニングの媒体」なんだという姿勢ですよね。「自分がやっている」という意識は危険信号なんです(笑)。
―― それです!会社さんというアイデンティティが望むように進みたいのだから、「すべき」というコントロールやジャッジを内省して停滞をクリーニングすると、勝手にパズルが揃っていくように自ずと開かれます。
KRさん 完璧で素晴らしいです。心配や不安や怒りやジャッジがあるとき、私も「何に囚われて見逃したのかな?」とクリーニングして気づいてゆるすことの繰り返しです。一人ひとりのクリーニングでみんなが助かります。ありがとう。
―― こちらこそありがとうございました!
(インタビュー:高木 みのり)
(『元気な暮らし』2023年9月号掲載)

KR女史(Kamaile Rafaelovich)
SITHホ・オポノポノ代表。19歳からホ・オポノポノを実践、クリーニングを主体とした古代ハワイアンマッサージのスペシャリストであった故モーナ女史より直接教えを受けた数少ないボディワーカーの中の一人。
当記事に関して
※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
『元気な暮らし』では毎月最新のインタビュー記事を掲載しております!
ご購読はこちらから ↓ | グッズのご注文はこちらから ↓ |
![]() |
![]() |