ワイレア・クレイヴェン・Xさんへのインタビュー(1)
今回は、創始者のモーナ女史に学んで以来およそ40年にわたり公私ともにSITHホ・オポノポノを実践されてきたワイレア・クレイヴェン・Xさんのインタビューです。
そもそもウニヒピリがわからない?
―― 講演会のテーマ「信頼する力」について。神聖なる存在の流れに乗っていくには、ウニヒピリとの信頼関係がすごく大事なのに、「そもそもウニヒピリの存在も、ウニヒピリが何を求めているのかもわからないし認識できない。だからインスピレーションもわからない」という方々はどこから始めたらいいでしょう?
ワイレア・クレイヴェン・Xさん(以下、ワイレアさん) オッケー!悲しいと感じる、孤独を感じる、ハッピーと感じる。怒りも後悔も嫉妬も孤独も喜びも、すべてがウニヒピリの発する訴えです。孤独は、ウニヒピリが「ひとりぼっちで放置されている」という訴えだし、ハッピーなら、ウニヒピリは喜んでいる。感情を通じていつでもコミュニケーションを取ろうとしているのです。
たとえば「おなかがすいた!アイスクリームが食べたいな」と思うのも、ウニヒピリの訴えです。そこで表面意識(母・ウハネ)として、「あと20分で会議が始まるから、これが終わったらすぐに食べに行こう!」と内なる子ども(ウニヒピリ)を尊重して優しく労わります。あるいは怒りがフツフツと湧き上がってきているなら、「OK、ウニヒピリ。その怒りの原因を全部集めて、神聖なる存在に消去してもらって手放そう」と伝える。行き届いたケアがウニヒピリを進化させ、新鮮な全体性と情熱を取り戻してブループリントに沿った能力を発揮し始めるのです。神聖なる存在が新たな情報を与えて人生が開かれていくんですよ。
―― 今、まさにこのケアを皆が必要としているんだなと感じました。そのように感情を拾って、自分のケアをすることで信頼関係が育っていくのですね。
ワイレアさん その通りです。現実とは自分の内面の写し鏡ですから。ホ・オポノポノが素晴らしいのは、クリーニングがその投影である私たちみんなの現実につながっていることです。今、晴れているのに霧雨がパラつきました。正しい道を歩いているよという祝福のメッセージですね。
自分をやさしく労わって、ケアをする!
―― 自分(ウニヒピリ)を責めてばかりいると、信頼や自信を持つことはすごく難しいですよね。
ワイレアさん 表面意識(ウハネ)には「わたしには全部わかってるのよ!」と支配・コントロールの癖があります。怒り、後悔、恐怖、すべてウニヒピリが記憶を取り出して見せてくれているだけなのに、抑えつけても自信にはつながりません。
たとえば私は70歳を超えていますが、先ほどまでハシゴを使って6mの高さでペンキ塗りをしていました。大きなお尻が邪魔でうまく動けないし、落ちるのも怖いでしょう?その恐怖を無視して焦燥感に任せて「今日中に仕上げないとダメよ!」というのではなく、「怖いよね、大丈夫だよ、手をつなごう。これまで無視してきてごめんね、高い所から落ちた記憶があるのかもしれないね、どんな記憶も一緒に消去しようね」とやさしく接して、クリーニングを決めると、記憶が消去されて純粋なエネルギーを受け取れる、流れに戻ることができるんです。
―― 自分自身の内なる子ども「ウニヒピリ」に対してだけでなく、まさに母親が自分の子どもに対してどう接するのか、と同じですね!
ワイレアさん 母親って「学校に行かなくちゃダメじゃない!この靴を履きなさい!早くしなさい!」「〜すべき!」と規律と制限でがんじがらめにしがちですよね(笑)。
ウニヒピリに対して「こっちにおいでウニヒピリ。長いこと無視して、支配強制してばかりでごめんなさい。ずいぶん長く恐怖や醜いものを抱えさせてしまったね。怒りも罰ももう与えないよ、記憶を持ち上げて消去しようね。」とケアします。それが心の傷や苦痛を手放して、自分自身と信頼関係を築くことになり、神聖なる存在の流れに戻って、新しいエネルギーの循環が始まって、よき人生に繋がっていくんですよ。
―― ウニヒピリは、怒られることや罰を受けることにすごく怯えています。
ワイレアさん 私たちの魂は何度も何度も生まれ変わる中で、処罰を受けたり裁判所で裁かれたり、あるいは指を切断されるような記憶を抱えているかもしれません。表面意識ではわかり得ない、あらゆる記憶に対して「大丈夫、手放して委ねようね、愛しているよ」とウニヒピリに愛を伝え続けてクリーニングする。
逆に感情をほったらかしにするとエネルギーが停滞して、精神的なうっ滞が身体的な不調の形になったりして問題が火山のように爆発します。手放すのは常に今!この瞬間なんですよ。
心の自由度がわかわかしさにつながる
―― ワイレアさんは、障がい者施設や老人ホームで長くお勤めだったとのこと。年齢や物理的制限からくるさまざまな問題をクリーニングするポイントがあれば知りたいです。
ワイレアさん どんな状況でも同じです。母・ウハネ(表面意識)が、内なる子ども・ウニヒピリ(潜在意識)の手を取って、父・アウマクア(超意識)とつながって、内なる家族をひとつにする。すると神聖なる存在から新しい変換のエネルギーが下りてくる。その繰り返しですよね。変化は期待したものとは違うかもしれません。でも、赤ちゃんが世界を学ぶように新たな現実を生きることができる。いくつになってもわかわかしく目的を持って生きられます。
凝り固まった思考で自分を縛ったり、内なる子どもをネグレクトした結果、燃え尽き症候群や不調に陥ったり、老け過ぎたりします。心の自由度が高いと、わかわかしく自由に動き回れます。「私はもう若くないから……」「年老いた私を愛してくれる人なんて誰もいない……」と縮こまってメソメソするくらいなら、「〜べき」「ねばならない」なんてクソくらえ(笑)!とクリーニングして、変換のエネルギーで吹き飛ばすんです。
人生は「ねばならない」の制約にまみれています。それこそが、思考の鋳型で「クソくらえ!」です。…… 上品な言葉でオブラートに包んでもいいけれど、同じことですよね(笑)。
―― 鋳型で縛っているのは、外ならぬ自分自身ですね(笑)。
ワイレアさん そう、鋳型を受け入れたのは誰?人生の選択をするのも、責任を取るのも自分自身です。イキイキとした子どものような感覚にフタをせず縛りつけず、自分に愛を注いで信頼してクリーニングする。なにも高学歴で上流階級である必要はなくて、2歳のお子さんでも実践しているシンプルなことです。
落とし穴をひとつご紹介します。うちの犬は近所の人と仲が悪くて、10年以上クリーニングしていてもトラブルが絶えません。遠くで犬が吠えるのが聞こえると、「今度は何!?」と駆けつけたい衝動に駆られますが、まずはクリーニングが先。何事にも原因となる記憶が隠されているので、クリーニングしないのはウニヒピリを犠牲にして無視するのと同じことだからです。「記憶さん、私にクリーニングの機会を与えてくれてありがとう。犬があの隣人の足を噛みつこうとする原因が何かはわからないけれど、クリーニングしよう!」。「犬を追いかける」というインスピレーションがあれば、それに従います。とっても簡単だけど、継続は難しいですよね(笑)。
―― ワイレアさんから直接お話を伺うと、曇っていた目の前が晴れ渡るように取り組める気がします!講演会も大変楽しみです。本日はありがとうございました。
(インタビュー:高木 みのり)
(『元気な暮らし』2025年2月号掲載)
ワイレア・クレイヴェン・X
37年前に創始者のモーナ女史からSITHホ・オポノポノを学び、高齢者、身体障がい者、依存症患者の在宅医療支援の中で活用することで、特定の記憶に焦点を当てる重要性を体験。またビジネスに適用することの大切さを認識するとともに「自分の内側で健康とビジネスの秩序が整わない限り、外側で健康的かつ機能的な関係を築くことはできない」と実感している。欧米、オーストラリア、カナダ、南米、アジアで開催されるクラスと個人セッションのインストラクターを務めている。
当記事に関して
※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
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