メリーさんへのインタビュー(8)
今回は、世界中でホ・オポノポノのマスターコーディネーターとしてクリーニング(※)を実践されている、メリー・コーラーさんにお話を伺いました。
問題児は私
―― はじめまして! 以前メリーさんのインタビュー記事を読ませていただき、「犠牲は何も生まない」という言葉がとても印象に残りました。
メリーさん 「何かの犠牲になる時代は終わった」という言葉が20年も前からあるんです。ですが、多くの人は気づいていません。「自分を犠牲にして誰かのために」というのは、結局相手にとっても良い結果にならないし、自分にとってもプラスにならない。お互いに損をしてしまうんです。
―― 特に女性は親のため、子どものためと、人のために頑張ってしまいがちですよね。
メリーさん 私は7人の子どもを育てる中で、自分自身をきちんとケアすることが、周りの人にとっても良い結果を生むことだと心の底から実感しました。
子どもが7人もいると、子育て中はやることに追われて、すぐに自分を見失ってしまいます。そこで、少しの間でも一人になれる部屋に行って、今の自分には何が必要なんだろうと考えるようにしていました。それから、自分がしたいことを先にする。それが自分のケアになります。
―― メリーさんが実践されている自分のケアで、「これはウニヒピリが喜ぶ!」ということがあれば教えてください。
メリーさん それはもちろんクリーニングです(笑)。もしクリーニングというツールを知らなかったら、私はどんな母親になっていたか想像もつきません。多分、コントロールしようと必死になりすぎて、子どもたちを苦しめていたと思います。
初めてホ・オポノポノのクラスに参加した動機は、双子の子どものケンカをどうにかしたいという思いからだったんです。二人とも男の子でケンカばかりしていて、私は気が狂いそうでした。そこで、その子たちがケンカしたら、違う部屋に行って、「なんでケンカするんだ」という思いをクリーニングするようにしたんです。そうしたら、いつの間にか、その二人がケンカしていることに私自身が囚われなくなっていました。気づけば、二人は自然とケンカをしなくなっていたんです。
―― 囚われないでいられる状態に持っていくことが大事なんですね。
メリーさん 「子どもたちがケンカしている」ということを体験しているのは私です。重要なことは、どんな現象が起きようとも、そこに自分が反応するということは、記憶が自分の中にあるんです。ですから、自分をクリーニングです。
私は日々子どもを学校へ送ったり、やりたいと言うことをやってあげたり、子どもの面倒を見るだけで疲れ果てていました。毎日のやり取りを一つひとつクリーニングしていたら、あるとき、子どもたちが自分たちで考えて進めるようになってくれたんです。私はただ黙ってクリーニングしていました。だから、「問題児は私」なんです。子どもに「ああしなさい」「こうしなさい」と言うと、記憶でやり取りしてしまうことになりますから、お口チャックです(笑)!
―― お母さんの立場だと、つい口を出したくなりますよね。
メリーさん 私もずいぶん練習しました(笑)。でも「私が口を出すことで、子どもたちの発見や可能性を奪ってしまったかも」と感じることもあって、そこもクリーニングしています。
私の息子の一人が高校生の頃、片づけがちっともできなくて、家中を散らかすので困っていたんです。私は「この子はどうなるんだろう」と心配して、ずっとクリーニングしていました。彼は、今では家族が集まったときに、誰よりもみんなのやることを整理し、コーディネートできるまでに成長したんです。私が「この子はどうしようもない散らかす問題児だ」とラベルを貼っていたら、縛ってしまっていたと思います。クリーニングして手放していったから、息子は息子らしく力を発揮できるようになれたのでしょう。クリーニングをしていけば、その子の可能性が開けて、その子らしくなっていくんです。
―― 大事なお話ですね! 私も親に対するラベルを外さなくてはと思いました(苦笑)。
メリーさん 家族は特にそうですよね。「お姉さんはこう」「弟はこう」「お父さんはこうよね」とラベルを貼っています。だけどそこを私がクリーニングすれば、私から記憶は消去され、家族全員からも消去されます。私は誰かがクリーニングするのを待つ必要もありません。いつでも自分をクリーニングです!
―― 基本はシンプルなのに、すぐに忘れてしまいます…(涙)。心してクリーニングします!
「ただ黙ってクリーニングをする」
予想外の最高のギフト
―― 予定を立てても、なかなか思うように進められません。特に家族との予定は振り回されてしまいがちです(苦笑)。
メリーさん 前もってクリーニングするのがコツですよ。人と会う前、予定を立てる前に2分間やるだけでも違います。私はスケジュール帳や会う人の名前、場所、行くお店や、「誕生日パーティー」などイベントの目的をクリーニングします。
昨年のクリスマスのことなんですが、家族全員で集まって写真撮影をする予定だったんです。ですが、直前になって一人の息子が来られなくなってしまいました。撮影もできなくなって、みんな落ち込んでしまって。そこで私はみんなが落ち込んでいることや、自分の中に湧き起こる「来るべきなのに」などの思いをクリーニングしていました。ホ・オポノポノでは「何が正しいことか、私にはわからない」という立ち位置に立つんです。すると、「こうであらねば」という感情もクリーニングしやすくなります。「息子が来るべきか来ないべきか、私にはわからない。でもこんな感情が湧いてくる」。そこをクリーニングです。
そうしたら、誰かが私と主人と10人の孫たちの集合写真を撮ろうと言い出したんです。さらにクリーニングをしていたら、「床に座りなさい」とインスピレーションが降りてきました。早速座ったところ、孫たちがワーッと集まってきたんです(笑)。その結果、孫たちと主人との見事な集合写真を撮ることができたんです。私にとっての最高のギフトになりました!
さらに、アメリカだと、クリスマスに家に住んでいる人の数だけ靴下をぶら下げる習慣があるのですが、写真撮影をした息子の家は4人家族。なのに、もう一つ靴下がぶら下がっていることに気づきました。なんと、息子のお嫁さんが妊娠していたんです! そんなお祝い事もあって、その日はとても楽しい、思い出深い一日になりました。
―― うわあ、それは嬉しいですね!
メリーさん クリーニングをしていると、起こるべきことがあるがままに起こるという感じですよ。期待をクリーニングするのも忘れないでくださいね。神聖なる存在は、あなたの想像以上のものを用意しているかもしれないのですから。
―― 素敵なギフトを受け取りたいです! …そんな想いもクリーニングですね(笑)。次の予定を立てるのが楽しみになってきました。本日は貴重なお話をありがとうございました!
(インタビュー:太田 陽子)
(『元気な暮らし』2017年10月号掲載)
(MARY MY WILD IRISH ROSE KOEHLER)
IZILLCが主催するSITHホ・オポノポノクラスのマスターコーディネーター。長年に渡って、アメリカをはじめ世界各国で開催されているクラスの主催に携わり、自身も世界中でクラスのトレーナーを勤める。 私生活では夫と七人の子どもとの家族の関わり合いの中で、またビジネスでもクリーニングを実践し、役立てている。
当記事に関して
※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
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