このブログでは「ホ・オポノポノ」を長年実践している講師をお招きし、様々なお話を伺います。



モミラニ・ラムストラムさんへのインタビュー(11)

2023年04月20日

今回は、カリフォルニア州サンディエゴにて大学教授兼音楽監督として活動されているモミラニ・ラムストラム博士にお話を伺いました。



喪失感も、先が見えない状態もクリーニングチャンス!


―― 今回モミラニさんが持たれるクラスは3年ぶりに会場開催されますね。
 この数年に起きた変化で経済危機に直面してビジョンを見失い、喪失感で落ち込む方々もいらっしゃると思います。人生って「次の瞬間に何が起きるかわからない」ので、中年の危機や離婚、子どもの独立、退職などの大きな変化に対応できないときもあります。「ショックで途方に暮れる」とき、どのようにクリーニングしたらいいですか?


モミラニ・ラムストラム博士(以下、モミラニさん) 「これからの人生で何をしたらいいのだろう?」というのは、とても大きな問いかけです。私自身も退職して1年になりますが、「先が見えない」状態やそこからくる喪失感は、「私の中の何が原因で、この現実を体験しているの?」と内省を促してくれる絶好のクリーニングチャンスです。
 誰かや何かを不平不満の対象にするのではなく、自分自身の内側をクリーニングして物事を正せるということ。その責任を果たすことが安心感をもたらしてくれます。「わからない」状態は決して悪いことではなくて、むしろ「おめでとう!」と自分に伝えてあげたいですよね。恐怖、落ち込み、自分に対する無価値観…どんなことを抱えていてもジャッジしないで、「そう感じているんだね。見せてくれてありがとう。まずそれをクリーニングしようね」と物事をシンプルにする。
 もちろん先の見通しがつくことや、ゴールを設定して計画を立てるのがダメなのではなくて、それも素晴らしいことだし、ウニヒピリに安心感を与えられます。でも囚われて本来の可能性を狭めることにもなるので、「クリーニングで開かれることを受け取れるように、自由な状態でいる」ことが大事なんです。


「今、何を感じている?」いつでもウニヒピリに問いかける


モミラニさん 上司、両親、自分自身…誰が「やるべき」と決めたものでも、計画⇒実行、計画⇒実行というループから一歩引いて、「今、何を感じている?」と自分に問いかける。そこで義務感や憤り、「本当はやりたくなかった」という後悔、感謝のなさ…どんな自分がいても、気づいたものからクリーニングを始められますよね。


―― 一歩引いて内省することで、ジャッジを握りしめたり感情に溺れたりしているところからクリーニングですね。


モミラニさん たとえば子どもが巣立った喪失感から、「子どもがいたときを心地よく感じていた」と気づいたら、そこからクリーニングできます。離婚して「幸せな結婚」を握りしめているなら、それをクリーニング。「すべきこと」「こうあるべき」と受け入れてきたことから一歩引くんです。私は一日の始まりでも途中でも頻繁に内省して、「どんな思考や感情を抱えている?」「どんな反応をしている?」と自分自身に問いかけます。「フェアじゃない!」「筋が通らないよ」「こんなのしたくない」というような感情があるかもしれませんよね。
 でも「したくないから、やらない」のではなくて、「したくない」「嫌だ」をクリーニングする。たとえば洗濯が嫌いだったのに「自分を慈しんで守る行為なんだ!」と気づいて楽しみに変わった方もいらっしゃって、人生に新たな認識を得るかもしれない。一日の間で何度も詳細に渡って振り返って、「これはダメ、これは嫌、これは良くない」と自分自身に課したジャッジを見つけてクリーニングします。


―― 私たちにはすぐにジャッジする習慣がありますよね。


モミラニさん 背負ってきたカルマの歴史から、「夫に怒りを覚えるのはよくない」「家族の世話を負担に感じるのはおかしい」といったジャッジが植え付けられています。でも、罪悪感は要らないんです。一歩下がって、どんなこともクリーニング。その結果は神聖なる存在に委ねます。そして、「子どもたちの態度が良くなるに違いない」「結婚生活が楽しくなるに違いない」など、どんなに些細な期待でも気づいて手放していきます。


―― 握りしめているジャッジと一緒にしがみついている期待にも一緒に気づいて手放して、神聖なる存在に結果を委ねること。そうして開かれた現実を進むことが、私もやっと板についてきたような気がします。


ウニヒピリに安らぎと安全を保障する


―― モミラニさんは引退後の人生もより楽しんでいるように感じます。定年退職で喪失感に陥る方々も多いので、どのようにクリーニングしたのか伺えますか?


モミラニさん じつは何年もかけてリタイアに備えてきました。今でも「次にどうする?今日は何する?目的はどう見つけるの?」と自問し続けています。「焦点を当てて取り組み続けてきた仕事」がなくなって、次に何をするのか明確でないと、私たちの一部(子ども・ウニヒピリ)はあてもなく彷徨っているような不安に襲われてしまうのです。
 この子どもの部分は、コミュニケーションを必要としています。どこに移動して何をするのかがわからないと不安でいっぱいになる。そしていつも安らぎと安全を求めているので、人生のいついかなる局面でも「今日はこれをするよ」と明確に伝えてあげること。どんなときも内なる子どもの手を取って連れ歩いているのだと気にかけて、ちゃんと伝えてあげることが大事なんです。
 何十年も続けてきた習慣を変えるには、「なんでリタイアするの?」という理由を求めます。たとえば私は若い頃、10個以上の仕事を掛け持ちして疲れ切ってしまい、何かを差し引かなくてはいけないという局面がありました。でも理屈で差し引いたのではなくて、個人的なアクティビティの歴史を旅するように好き嫌いや葛藤、戸惑いをクリーニングしました。「バタバタ忙しいのは嫌」をクリーニングしたら、仕事を間引いても大丈夫だと気づいたんですね。
 フルタイム勤務を退いた今、1つの合唱クラスだけを受け持ってディレクターを務めています。もともと学生に成績をつけて評価することに苦痛を感じていたので、ただ歌うことに没頭できて評価を必要としないこのクラスが私に合っていると感じて満たされます。長いプロセスを経ましたが、他の人たちと歌を歌うことが純粋に好きだったんだなということに気づくこともできました。
 職場のアイデンティティさんとお話をすることも、とても大事です。生物・無生物に関わらず、どんな存在にもアイデンティティがあります。その意思を尊重したいですし、職場の名前に対する自分自身の感情もクリーニングするところから始めたいですよね。
 たとえばトータルヘルスデザインさんという会社のアイデンティティに対して、「あなたの存在目的が果たされるために、どうしたい?どうしてほしい?」と尋ねてあげる。誰の意見も大事だけど、その中心には“会社さん”がいるということが大事ですよね。



(次回に続く)
(インタビュー:高木みのり)


(『元気な暮らし』2023年5月号掲載)




モミラニ・ラムストラム博士
モミラニ・ラムストラムさん


1983年よりホ・オポノポノを実践し、故モーナ女史から直接講師のトレーニングを受けた数少ない一人。およそ30年で500回以上のクラスで講師を務める。カリフォルニア州サンディエゴ、メサカレッジの教授兼音楽監督として活動するほか、近年ではクリーニングのインスピレーションから絵画を始め、展覧会が開催されている。



当記事に関して


※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
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Posted by THDstaff at 10:00講師の方々に訊く