ヒューレン博士へのインタビュー(1)
一切の診察なしで患者が変わる!?
驚きの「ホ・オポノポノメソッド」
近藤 洋一(以下、近藤) ヒューレン博士は、触法精神障害者(精神障害を理由に不起訴、減刑、無罪になった人)である患者さんたちを、直接診察することなく次々に改善させ、満員だった病棟をとうとう閉鎖へ導いた、というエピソードが有名です。しかも、その病棟で働く、いつもストレスにさらされていたスタッフたち、彼らの精神状態までもが良くなったのだそうですね。
いったいどのような方法で、この難問を解決していかれたのか、とても興味があります。
イハレアカラ・ヒューレン博士(以下、博士) 私はカルテを見ながら、「この現実をつくっている私の記憶は何なのだろう」と問いかけ、「ごめんなさい」「愛しています」「ありがとう」と繰り返しただけです。患者に対しては一切のアプローチをしていません。自分の外にある「現象」をコントロールするのではなく、自分の「記憶(潜在意識)」のクリーニングで解決するのが「ホ・オポノポノ」です。
「ホ・オポノポノ」では、「すべての現象は自分の記憶(メモリー)がつくり出している」と考えます。患者が病気の状態で目の前にいれば、それは私の記憶がつくり出した現象です。だから、私の「記憶」をクリーニングする。すると、目の前の現象は正常化するのです。
近藤 問題があると、その問題そのものを操作、コントロールしようとするのが私たちの常ですね。
博士 私も大学や病院で25年間精神学を勉強してきましたが、ショックなことにそれらの知識や技術は、現実の病院の囚人たちにはまったく意味をなさなかったのです。しかし、目の前の現実をすべて自分の責任として受け入れ、ひたすら自分の記憶を言葉によってクリーニングすることで、問題は消滅しました。
近藤 いったい何が起きるのでしょうか。すごいことですね。
博士 懐中電灯の光が、さえぎられることなく自分に届いている状態を想像してみてください。これが“「大いなる意思」からの情報が自分にそのまま届き、目の前の現実にも曇りがない状態”です。この光と自分の間に、手のひらをかざすと、影ができますね。この「手のひら」が、私たちの「記憶」。できた「影」が、目の前の問題です。「大いなる意思から届く光をさえぎっている手のひら(記憶)がある限り、影(問題)をいくらコントロールしようとしても、影は影のままです。
「ありがとう」などの言葉で、この手のひらを消していくと、光が届くようになって、影も消えます。「大いなる意思」からの光・情報が、そのまま受け取れるようになれば、自分が「問題」だと認識した現実は、自然に消えるのです。
近藤 なるほど、自分にはまったく関係ないように思える問題でも、目の前に現れた以上、それは「自分の記憶の影」なんですね。
ピンチは本当にチャンスだった!
「問題発生は、「大いなる意思」との懸け橋
近藤 日本でも「ありがとう」は、五日市剛さんをはじめ、多くの方が推奨していますが、記憶を浄化する力をもっていたのですね。だから、ピンチのときは「ありがとう」なんでしょう。
確か、「ホ・オポノポノ」では「ごめんなさい」「許してください」「愛しています」という言葉も使われると聞いていますが、やはり気持ちを込めて発した方が良いのでしょうか。
博士 それらの言葉がすべて必要だというわけではありません。「愛しています(アイラブユー)」は、それらすべての言葉を網羅します。そして、気持ちを伴うことも、声に出すことも必要ありません。言葉そのものに力があります。コンピューターで間違った文章を打ってしまったものが、ずっとメモリーで残っていたとします。そのメモリーを消すのに、感情は必要ありませんね? 言葉は、デリート(削除)キーの役割をするのです。ただ、潜在意識に届くよう、繰り返しこれらの言葉を使うことが大切です。
近藤 しかし言うは易し、行うは難しですね(笑)。「すべてはひとつである」と頭ではわかっていても、見ず知らずの方の病気のことなど、その人にアドバイスすることはあっても、自分の問題だと思うのはなかなか難しそうです。
博士 おっしゃる通りです(笑)。しかし私たちは「メモリーを消す」という役割をもって生まれています。そして、それを実行していくことで自分自身が「大いなる意思」からの情報をそのまま受け取れるようになり、結果的にさまざまな問題も解決していくわけです。
私が日本に来たのは、日本を救うためではありません。病棟の患者の病気についてクリーニングしたのも、彼らのためではない。「私の記憶を」クリーニングするためです。私の中の古い記憶が目の前の現実を生み出すのです。その記憶をクリーニングするには、誰かが、何かが、私の目の前でその「記憶」を見せてくれなければなりません。だから、問題を持ち込んでくれた人々に、心から感謝するようになります。
ギリシャの有名なことわざに、「医師はまず自分を治せ」というものがあります。まさしく、すべての医師は、まず自分をクリーニングする必要がありますね。患者さんは、医師の中に「まだクリーニングする部分がある」ということを見せてくれるメッセンジャーです。医師は自分の中にある心のシミに気づき、クリーニングすることができます。むしろ、患者さんにお金を払わなければならない立場かもしれません(笑)。
近藤 クリーニングをしていけば、やがて私たちの仕事も必要なくなりそうですね(笑)。
博士 そうなるでしょう。そして、必ず次の仕事が与えられます。その仕事こそが、あなたの本当のお仕事かもしれません。
政治や環境問題、すべてが私たち一人ひとりの記憶の現れです。日本人が、100%このことを引き受けるというところに立てば、全世界にこれを発信することができるでしょう。日本人がそうならなければ、世界は消滅する方へ向かうでしょう。もっと病気や欲張りが増えて、という時代がやってきます。
近藤 早くこの素晴らしい叡智を世界中の人にお伝えしたいものです。ありがとうございました。
(2008年10月 『元気な暮らし』より抜粋)
1962年コロラド大学卒業後、ユタ大学を経て、1973年アイオワ大学で教育長・特殊教育ディレクターの博士号を取得して医科大学長、教育学部助教授に就任。1974年ハワイ大学助教授、1976年知的障害者ハワイ協会事務局長、1983年より1987年までハワイ州立病院精神科医スタッフ。現在The Foundation of I,Inc. Freedom of the cosmos 名誉委員長。1983年から国連、ユネスコ、世界平和協議会などでセルフアイデンティティ・ホ・オポノポノに関する講演を行うほか、世界各地で普及活動に務めてきた。共著に『ハワイの秘法』(PHP研究所刊)がある。
当記事に関して
※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
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