KR女史へのインタビュー(39)
今回は、創始者モーナ・ナラマク・シメオナ女史の一番弟子で、世界中でもっとも長くクリーニングをしているといわれるKR女史にお話を伺いました。
本当の原因は、わからないし知る必要もない
―― 今日のテーマは「環境問題とわたし」です。どんなテーマにおいても向き合い方は同じですね。
KRさん そう、今この瞬間に体験したり気になっていたりする環境問題は、それがどんなものであっても、問題の原因もその答えも、自分の内側の潜在意識にある記憶です。自己を内省し、自己の根源である神聖なる存在に対して「どうかこれらの問題を正してください」と嘆願するのがクリーニングです。そして、自分の求めている結果や願いを叶えるためではなくて、「神聖なる存在の目で正す」手法なんです。
―― 「期待した結果」を追ってしまうと、気づいたときには本来の自己から離れてがんじがらめになっているんですよね。以前、「操作・画策しない!」と言っていただいたことが思い出されます(笑)。
KRさん クリーニングってまるでガーデニングのようで、土に種を植えているような状態です。どんな植物になるのか、どんな花を咲かせるのかは神聖なる存在に「お任せ」。私自身も長年クリーニングをしてきたなかで、その恩恵を実感しています。でも、それは「こうなってほしい」と願った結果ではなく、記憶を消去したことによって神聖なる存在が与えてくれた恩恵を、ただ受け取らせていただいているだけなんですね。
―― 期待を超えたこと、予想外の解決がもたらされます。
それでもやっぱり問題に直面すると、つい悪者を外側に探したり、これが原因だ!と理屈でつなげようとして、苦しくなることがあります。表面意識でジャッジする範疇に原因はない!とわかっているのに。
KRさん 何が原因なの?どうしたらいいの?と思考をめぐらすことも多々あると思います。ですが本当の問題解決は、思考で理解する分野ではない。たとえば「遅刻した」として、大抵はその原因を「自分が認識した範囲」で決めつけるわけですが、ホ・オポノポノ的にいえば、途方もなく膨大な記憶から来ているので、「本当の原因はわからない」というところから始めたいですし、答えを求めているのなら、「自分の潜在意識の中の何が、“正しい答え”だと決めつけているの?」と内省したいですよね。
誰もが「何でもわかっていないといけない」「正しい答えを知らなくてはいけない」と思い込んでいるものです。でも人の次元で膨大な記憶を把握することはできないし、原因を知らなくてもクリーニングをすれば解決に向かうのですからシンプルですよね。
感情を引き起こしたトリガーは、本当の原因ではない。
―― 環境問題って、「小さな自分にはどうにもならない大きなものだ」という諦めの感情があることに気づきます。具体的にどのようにクリーニングに取り組めばいいですか?
KRさん 「書き出すクリーニング」をご紹介します。まずは環境のことを書く前に、自分の戸籍上の名前を。そして私たちは家族、親せき、先祖代々からの影響も受けた存在ですので、わかる範囲ですべての名前を書き出します。次に今、気になっている環境問題について、それによって体験している感情や囚われていること、取り組んでいること、影響があると感じることなど、箇条書きでいいのでどんなことでも書き出してみることです。私はハワイに住んでいますが、プラスチックのストローが海亀の鼻に刺さっている画像がハワイ中の話題になるほど海が汚染されていて、ゴミ問題も深刻です。海岸にポイ捨てされる日焼け止めクリームやオイルのボトルが一因だとも言われています。しかし一方で、海や川、山だけでなく悪者にされているプラスチックのボトルにもアイデンティティがあるとSITHホ・オポノポノでは扱います。ですから「嫌だ」「悪者だ」と貼ったレッテルの記憶も消去できますよね。そのように身の回りで起きていることに対する様々な思いもすべて書き出します。外側の出来事はすべて、自分の中に「記憶がある」と教えてくれるトリガーなので、見聞きしたり経験したりすることで引っ張り出されてくる感情をすべて書き出します。そして、その紙をビリビリに破って捨てるんです。この作業を通じて、内側に溜め込んできた感情、つまりウニヒピリに溜めこまれている「記憶」を手放していきたいのです。
このワークは「ながら」作業ではなく、このことに集中してやりきって、書き出したら間を空けずに破って、ひとかけらも残さずに捨ててください。パソコンで書き出してデリートしてもいいでしょう。この方法は、どんな状況や問題についても何かを整理したいときに使うことができます。
―― 感情のクリーニングをしながら、現実に実践的に行動していくのですね。感情を引き出したトリガーは本当の原因ではないというところ、本当にその通りだと感じる一方でなかなか難しい局面もあります。
KRさん ある日、一歩外に出たらゴミの山になっていたとします。単にそれを拾うかどうかではなくて、「ゴミが捨てられている」という現実からくる自分の中に沸き起こる判断と感情をクリーニングです。たとえばゴミを捨てるなんてひどい!という判断や、頭にくる!といった感情をクリーニングしたうえで、インスピレーションを実行したいのです。否定的な記憶がどんどん消去されていきます。
SITHホ・オポノポノの基本は、「わたしという存在の外には何も存在していない」ということ。地球環境に問題があると見せているのは、自分自身の内なる家族の不調和から生じています。たとえ今、自分自身が問題まみれだったとしても、その記憶を消去すれば、地球さんからも消去される。あなたがクリーニングした恩恵は、画期的なアイデアを形にできる科学者に贈られるかもしれないのだから。
―― クリーニングをしていると、私たちのいのちはすべてつながっているんだと実感する瞬間があります。「クリーニング」は自転車をこいでいるようなものだといつもご説明くださいますね。とにかく自転車から派手に転げ落ちるような経験をしても、また乗って進んでいくように実践あるのみですね。
(次回に続く)
(インタビュー:高木 みのり)
(『元気な暮らし』2021年2月号掲載)
KR女史(Kamaile Rafaelovich)
SITHホ・オポノポノ代表。19歳からホ・オポノポノを実践、クリーニングを主体とした古代ハワイアンマッサージのスペシャリストであった故モーナ女史より直接教えを受けた数少ないボディワーカーの中の一人。
当記事に関して
※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
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