KR女史へのインタビュー(28)
「SITHホ・オポノポノ」の創始者、モーナ・ナラマク・シメオナ女史の一番弟子で、世界中でもっとも長くクリーニングをしていると言われるKR女史にお話を伺いました。
※今回はKR女史のインタビュー(27)の続きです。
私たちはみんなつながっている
―― クリーニングでは、「何が原因なのか、本当の問題がどこにあるのかはわからない」「何が起こっているのか、本当のことは知りようがない」という視点に立つことが大切といわれます。その意味をご説明いただけますか?
KR女史 私たちは問題を見つけては「あれが原因だ」「あの人が悪いに違いない」と原因を外側に求めてしまいがちです。
ですが、意識には限界があって、毎秒1100万ビット以上の情報を得ていても、実際には15ビットほどしか認識できないということが最近の研究で明らかになっています。このことからもわかるように、「何が原因か」把握することも特定することもできないわけです。
私たちがすでに持っているフィルターを通して「あらかじめ自分が見たいように物事を判断して、感じたいように感じているだけ」だとも言えます。だからこそ、あらゆる問題について、毎瞬毎瞬の心と感情の変化に向けてクリーニングをすることです。そうしてフィルターが取り払われると、自然に物事は正しい方向へと動いていきますし、インスピレーションを受け取れるようになります。
また、クリーニングは「問題に直面したとき」だけでなく、どんなときにもできるんです。たとえば道ですれ違っただけの人でさえも、何かしらのしがらみや縁があるもの。絶え間なくクリーニングをすることで、みんなに還元されていきます。
よく、ボディワークを職業にしているセラピストの方々からご相談を受けるんです。この場合も、何よりもまず「ご自身のクリーニング」をしなくてはいけないとお伝えしています。施術の前、最中、終わったとき、どの瞬間でも「自分自身をクリーニングすること」こそが何よりも大切です。
自分の記憶をクライアントに与えたくないですし、相手の記憶ももらいたくないですよね? 施術やセッションが終わった後に、その方と気持ちがつながったままにしないこと。どんな感情でも、残っているものはすべてクリーニングします。こちらが「かわいそう」「つらい」という気持ちを持ち続けている限り、クライアントも持ち続けることになりますし、お互いに自由になれません。
どんなに短いセッションであっても、場を開いたら、必ず終了の区切りをつけること。マッサージなどのボディワークは特に、潜在意識がだだもれ状態ですから、自分の中で「完了」の区切りをつくって守ってあげないと、ウニヒピリは大変なことになってしまいますからね。
―― 見えないしがらみを持ったままにせず、お互いが常に自由な存在でいられるようにクリーニングするということですね。
「毎瞬毎瞬の心と感情の変化に向けてクリーニングをする」
それぞれの暮らしは芸術的に開かれる!
―― さて、今回の講演会は「“暮らし”Art of Living」がテーマでした。詳しく教えていただけますか?
KR女史 アート、つまり芸術や美しさは、何も特別な物事ではないんです。クリーニングをすることで、目の前に現れる“暮らし”や“生きる形”、“美しさ”はいかようにも変化していくことができます。劇的に変化することもあれば、物事が停滞して進まないときもあります。
「停滞して進まない」という思いが出てくるたびにクリーニングをすることで、時に「変化」がせき止められているように感じることであっても、達成するための道がベストタイミングで開かれていくものです。クリーニングの対象は人間だけではありません。どんな存在も、たとえば“家”も含まれているんですよ。
息子家族が家を建てたときのことですが、私の家に仮住まいして嵐のように去っていきました。家の中をぐちゃぐちゃに残したまま引っ越していったので、私は「あ~!! もうイヤだ!!」となったんです(笑)。その思いをクリーニングしたところ、別の孫をプロの掃除人として雇うことを思いつきました。孫だからといって、タダ働きさせてよいはずがありませんよね? 彼女の貴重な時間を割いてもらうのですから、正当なお支払いをするのが当然と感じました。
すると、プロ以上に素晴らしい仕事をしてくれたんです。さらに一石二鳥と感じさせられた瞬間がありました。孫がダンボールいっぱいに出た「要らないもの」を引き取りたいと言ったのです。「もちろんよ!孫なんだから!」と心置きなく譲ることができて、誰にとってもハッピーに事を終えることができました。
正しいタイミングで、正しい人に、正しいことをお願いして、正しい関係性を築く。これがクリーニングの目的です。クリーニングとは、人生という旅を自分らしく創造していくようなもの。それぞれの芸術のカタチを達成することです。
―― クリーニングをすることで、“暮らし”というアートをそれぞれが紡いでいけるということですね。何だか肩の力がスッと抜けたような気がするお話しでした。ありがとうございました。
(インタビュー:高木みのり)
(『元気な暮らし』2018年3月号掲載)
KR女史(Kamaile Rafaelovich)
SITHホ・オポノポノ代表。19歳からホ・オポノポノを実践、クリーニングを主体とした古代ハワイアンマッサージのスペシャリストであった故モーナ女史より直接教えを受けた数少ないボディワーカーの中の一人。
当記事に関して
※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
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