モミラニ・ラムストラムさんへのインタビュー(9)
今回は、カリフォルニア州サンディエゴにて大学教授兼音楽監督として活動されているモミラニ・ラムストラムさんにお話を伺いました。
(前回の続き)
ウニヒピリを尊重する。抑圧を止めるのは、自分自身。
―― 50代の私と30代の友人で話していたことなのですが、上の世代の女性たちを見ていて、人生の選択で後悔している姿や、達成できなかったと嘆いている姿が印象に残るんです。年老いて一つひとつのことが思うようにできなくなっていくなかで「達成できなかった」ことに対する思いや痛みとともに私たち自身も生きていると感じます。今、この瞬間に女性性の側面をクリーニングできること、自分自身の内側にある男性性と女性性のバランスを取る機会をいただいていることに感謝が湧いてきます。
モミラニ・ラムストラムさん(以下、モミラニさん) 人私たち自身に対して「精神的にブルーボトルを捧げる」というクリーニングツールが今、思い浮かびました。内省して、自分自身の痛み、怒り、家族、親戚、先祖代々に遡って、そこに対する思考や意識をクリーニングするとき、ブルーソーラーウォーターが慈愛の雨のように降り注ぐように実際に自分自身にスプレーしてもいいし、イメージで関係するすべての存在や出来事にスプレーしてもいいですね。
―― ハワイ島の霧雨のようにも感じました。細かなクリーニングの霧雨がやさしく全員を包み込んでくれるかのようです。
モミラニさん 霧雨が優しく包み込んでクリーニングしてくれる。美しいですね。
そして経済のこと、ビジネスのクリーニングでは、ウニヒピリに参加してもらうことは欠かせません。ビジネスで、人生で、家族で、キャリアで成功すること、どのような思いがそこにあるのかについても常に注意を払ってクリーニングすることがとても大事ですよね。「そうに違いない」とか、自分勝手な思いを押し付けたり、思い込んだりしないこと。そしてウニヒピリが「NO」というなら、その意見を尊重することです。「断ることが、失礼にあたる」とされている社会でお断りするのはとても大変ですが、自分を抑圧する人生を続けるのは自分自身が止めにしないといけませんよね。
―― そうして自由になっていくのですね。
怒りのクリーニングで大切なのは感情を認めてあげること
―― 国際結婚をした私の友人が、日本にいると夫に対する感謝やリスペクトよりも「男なんだから安心感を提供してよ、年齢に応じた社会的なあり方をもっと自覚してよ」という期待のサイクルに陥りやすいといいます。旦那さんの国にいたときにはあまり抱かなかった感情で、彼女自身もそんな荷物を背負っていることに驚いていて、自由とはまったく相容れない記憶だという自覚もあるそうです。これが文化的な記憶なのかはさておき、自由で自立していたいと感じつつも抱いてしまう期待についてはどうでしょう?
モミラニさん 抑圧と制限による怒りをみんなが共有していて、さらに怒りに対する罪悪感も抱えているわけですよね。まずは「怒りを持っていてもいいのよ」とウ二ヒピリをゆるしてあげることです。コンクリートの床の下に怒りを抱えていたら、いつか爆発します。本当はもっと奥に本当の愛があるとわかっていても、怒っていること、嫌っていることを認めてあげるのです。「怒りがあるよね、それを見せてくれてありがとう。怒っていてもいいんだよ」と何度も何度も出てくるたびにウニヒピリに伝えてあげる。手放せるものは手放しながら、内省とクリーニングを通じて少しずつでも自分を癒していく。誰かに怒りを抱えるということは、相手にカルマの矢を投げてゴミを散らかしているということ。どんな思いを抱えているとしても「今、私のまわりがゴミだらけだとしても大丈夫よ、クリーニングしようね」と認めてあげるんです。その奥にはたしかに愛がある。だから委ねるのです。
ブルーソーラーウォーターを飲むことも助けになりますが、私は小さなブルーのガラスボトルを持ち歩いて、自分に向けてスプレーするようにしています。物理的にも精神的にも怒りを鎮めてくれますし、いろんなレベルで「無」に変換するために働きかけてくれますよ。
仕事のクリーニングは人生を通じたクリーニング
―― 自分のアイデンティティがこの世に生まれ出て全うしたいと願っていることと、経済的な仕事がイコールになっていくとシンプルだなと感じています。インスパイアされた本質的な仕事と経済をマッチさせるには、どのようにクリーニングすればいいですか?モミラニさんはご自身のアイデンティティとマッチした仕事をされていると理解しています。
モミラニさん 私は今、大学で講師をしたり、本の編集に携わったり、プライベートレッスンを請け負ったり、絵を描いて売ったりしていますが、貧困に喘いでいた期間もとても長かったんです。お財布に1ドル札しかない、給料で家賃も支払えないという状態だったので、結婚式でクラシカルギターの演奏もするし、料理のケータリングもする。目の前に現れるさまざまな依頼を引き受けながらクリーニングしてきました。どの仕事にもアイデンティティがあって、自分と何らかの関係性でクリーニングすべき記憶があるからこそ出合っているんですね。記憶を引きずったまま関わると、しがらみが残って同じ問題の繰り返しになってしまいます。どんな思いも感情も、記憶を体験しているのだと踏まえてクリーニングにコミットしたいのです。「生き残るために働かねば」という思い、「この仕事をやりたい、やりたくない」という好き嫌い、「私はやりたいことがわかっている」と思考で計画すること、お金に対する思考、貧困の経験、結果に対する期待、すべてをクリーニングして手放して委ねてきました。
結局、私自身も含めて誰もがほとんどの場合、「何が本当にしたいのか?」はわからないわけです。頭の中にプランが表れたら、正しい正しくないとジャッジせず、クリーニングして現実が開いていくままに任せるようにしています。一つひとつの仕事が唯一無二のアイデンティティを持っていることを忘れないで、敬意を持って扱うのが大切です。
だからこそ、雇用主や土地、そこに現れて出会う人々、何かクリアになりきれていない関係性は、現れた時にクリーニングする。どんな仕事をしていても、大切なのはその一点に尽きるのですから。
(次回に続く)
(インタビュー:高木みのり)
(『元気な暮らし』2022年5月号掲載)
モミラニ・ラムストラム
1983年よりホ・オポノポノを実践し、故モーナ女史から直接講師のトレーニングを受けた数少ない一人。およそ30年で500回以上のクラスで講師を務める。カリフォルニア州サンディエゴ、メサカレッジの教授兼音楽監督として活動するほか、近年ではクリーニングのインスピレーションから絵画を始め、展覧会が開催されている。
当記事に関して
※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
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