ネロ・チェッコンさんへのインタビュー(11)
今回は、イハレアカラ・ヒューレン博士の元でクリーニングを実践してこられた講師の一人、ネロ・チェッコンさんにお話を伺いました。
私たちは「無」の存在だと再認識できた
(取材は今年5月のものです)
―― ネロさんはイタリアの中でも新型コロナウイルス感染が最も深刻だったヴェローナ在住ですね。クリーニングを通してどのように過ごされたのですか?
ネロ・チェッコンさん(以下、ネロさん) 新型コロナがイタリアで広まって以来、私自身も友人を亡くしてトラウマ状態に陥りました。ロックダウンが始まってからの8週間、自宅から出られない状況(5月2日現在)です。2週間に1度、食材を買いに出かけるときも感染に怯えていましたし、仕事ができないので収入の道が断たれました。家族や友人との触れ合いすべてから遮断されて不安でいっぱいの状態が続いたんです。
これまで確信を持っていた支柱が壊れてしまったように感じて、ひどく落ち込んだこともありました。今でもウイルスに囲まれて自宅に縛られ、様々なメディアから膨大な情報が与えられる状況に変わりないので、恐怖に?れて自分を見失っている方もたくさんおられるかもしれません。
このような人類史上に経験のない状況だとしても、クリーニングを通して自分自身を深く知ること、私たちの存在は「無」から生まれて「無」に戻るのだと再確認して、自分の中に「無」を感じることが解決への道につながっていることを改めて実感しています。根底に「ゼロで完璧な状態がある」と認めると、外的な要因に振り回されずブレなくなり、私たち自身が神聖なる存在の道具として完全な形のインスピレーションを受けられるようになります。まわりの人たちの中にも神性が見えてきますし、現実的に合理的に自分らしく前進し続ける力と、どのように進んでいくかの道しるべを与えてくれるんです。
―― 「無」に戻ることで、自分らしく進む道がわかるのですね。
原因はウイルスではなく、うずまく思考と感情
―― どのように問題をとらえ、クリーニングしたのですか?
ネロさん 私たちは「仕事ができず経済的に遮断されているのは、ウイルスや社会構造に原因がある」ととらえがちです。私も長年エンジニアとして働いてきましたので、問題が起きた時には「外にある原因」を調査・追求するのが当たり前だと思っていました。ですが「何の因果でこんなことが起きるんだ!?」と思うような出来事も、原因は「私たち自身の潜在意識中にある記憶が再生されているからだ」というのが、SITHホ・オポノポノの最も重要なコンセプトです。自分自身を内省したいのです。
そこで大切なのが、「私たちは何者なのか?」という認識です。誰もが「表面意識」「潜在意識」「超意識」という3つの側面で構成されている存在だということ。思考は、表面意識(ウハネ、母)によるもの、事象や人間関係から湧きあがってくる感情はどんなものでも潜在意識(ウニヒピリ、子ども)に蓄積しているもの、超意識(アウマクア、父)は完璧な状態の魂です。そこにインスピレーションを送ってくれるのが、神聖なる存在(ディヴィニティ)です。神聖なる存在とは「無」であり、宇宙全体どこにでも存在しています。この内なる家族それぞれの役割を知ってクリーニングをすることで、自己として整って安全安心が生まれるのです。
私は手洗いやマスクの着用などの自己防衛は行いながら、湧き起こる感情や「どうにもならない」という葛藤に対して「愛している、ありがとう」と言い続けました。それらは事実ではなく過去の記憶です。ウイルスをクリーニングするのではなく、ウイルスに対する自分自身の判断、怖れ、信念をクリーニングするんです。すると内面で起きていた恐怖や抵抗が次第に「自分は守られてクリーニングする機会が与えられているだけ」という明確な意識になっていきました。集合的なパニック状態や無力感、不安、怖れ、怒りなどといった感情から自分を切り離して「無」の状態に立つことで、状況から解放されて神性なる存在の元にいるんだという安心安全を確信できましたし、変換が起きて内なる平和を取り戻すことができました。
クリーニングで生命エネルギーが循環する
―― まさにSITHホ・オポノポノは現実的に問題から脱出する問題解決法ですよね。ウニヒピリにはどう接したのですか?
ネロさん 喪失感や無力感に苛まれたり不安や怒りに溺れたりしている状態のままでは、これらの感情をウニヒピリに押し付けたままなんです。感情にフタをしたり葛藤して闘ったりしてもウニヒピリが傷つくだけ。ですから、それらはすべて「潜在意識(ウニヒピリ)に蓄積された記憶」だと認めて、不安なら不安を、貧困に陥ることに対する恐怖なら恐怖を、正直に湧き起こる感情をただありのまま包み込みながら、ウニヒピリをいたわって、クリーニングするんです。その感情を感じられるのは、あなたしかいない。つまりあなただけに与えられたクリーニングのチャンスなのですから。
問題が起きているときは意識と超意識の間のつながりが切れている状態です。内省とクリーニングは、4つの言葉として理解してくださっていると思いますが、「ありがとう、愛しているよ」とウニヒピリに伝えてあげることであり、「どうかこれらを正してください」「記憶から自由にしてください」と神聖なる存在に嘆願することです。すると記憶をニュートラルにして、さらにゼロに変換する生命エネルギーが神聖なる存在から注がれます。それがインスピレーションであり、愛です。ウハネ→ウニヒピリ→アウマクア→ディヴィニティ→ウニヒピリへとエネルギーの循環が滞りなくスムーズに流れることで、本来の姿から離れている原因が剥がれて消去され、肉体の抵抗力をも高められた実感がありました。
私から消去された記憶は私自身だけでなく、土地からも周囲からもこの惑星からも消去され、私たちは完璧な存在として完璧な状態になり、ふさわしい行動が取れるようになります。ある意味で、この状況に陥るまで気づくことも想像もできなかった行動や発想にいたって前進でき、感謝しています。
もしも「こうするべき」「ああするべき」といった概念に固執してがんじがらめになっているなら、それらは新たな自分を発見するクリーニングのチャンスだということです。今までと異なる技術やあなた自身のアイデンティティが持つ可能性、あなたにしかない唯一無二の聖なる目的を知り、本来持っていた才能を発揮して生きる道を開くことになるわけです。
―― たとえ現実が困難に映ろうとも、それこそが私たち自身に本来与えられた道が開かれるチャンスだということですね。本日はありがとうございました。
(インタビュー:高木 みのり)
(『元気な暮らし』2020年10月号掲載)
ネロ・チェッコン
巨大企業のテクニカルディレクターを勤めながら人生を見つめ直そうと転職を考えていた10年前にSITHホ・オポノポノのクラスに出会う。アーサー・アンダーセン(現アクセンチュア)の経営コンサルタント、ヨーロッパ大手金属メーカーのコンサルタント・役員を経て、現ヴェローナ市裁判所の民事訴訟科テクニカルアドバイザー。法廷内における企業間に発生したビジネス訴訟および裁判審査の技術的判断を行う仕事や人間関係に加え、3人の子どもを持つ父親であり夫としての立場の中でSITHホ・オポノポノのプロセスを実践し、講師としてヨーロッパ、日本、台湾で活動する。
当記事に関して
※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
『元気な暮らし』では毎月最新のインタビュー記事を掲載しております!
ご購読はこちらから ↓ | グッズのご注文はこちらから ↓ |