吉本ばななさんとのトークイベント(1)
今回は8月に東京で行われた吉本ばななさん、平良ベティーさん、平良アイリーンさん、3人のトークイベントからホ・オポノポノのとびきりのエッセンスをお届けします !
子どもといると、自分の中にあるものが!?
平良アイリーンさん(以下、アイリーンさん) 吉本ばななさんが小説で表現される言葉の数々に、子どもの頃から助けられてきました。台湾ではよくお会いし、様々な時間を一緒に過ごしましたね。今回は「自分に嘘はつかない」をテーマにお話を伺いたいと思います。
吉本ばななさん(以下、ばななさん) どうしてこのテーマを思いつかれたんですか?
アイリーンさん 3歳と0歳の子育てをしている真っ最中なんですけど、「人にこう思われたい」という気持ちで取り繕ってしまう自分がいるんです。特に上の娘と一緒にいると、娘が話しかけられても返事をしなかったりするので、慌てふためいて「緊張してるんだよね」と言ったり。幼稚園や公園などで、いつもそんなことをしているんです。かつてつき合っていた男性の前で、取り繕っていた自分を思い出したりしてしまいます。
ばななさん お母さんのベティーさんはお孫さんが人にあいさつをしなかったりするのをどう思われているのですか?
平良ベティーさん(以下、ベティーさん) 全然そう見えないですよ。
アイリーンさん 今の場所で自分の中に元々あった感情を見させられているだけなんですね…。
ばななさん 私が子育てについて思うのは、ゆるく考えるといいかなと。
例えば、朝ご飯におにぎりしか食べなかったら、夜は野菜だけ食べる。そうやって考えた方が、朝にすべてとらなきゃいけないと考えるより「あれもできない、これもできない」という焦りが減るように思うんです。
アイリーンさんと娘さんはタイプが違うように思うので、がんばりすぎなくていいのではないですか。
アイリーンさん ばななさんは人を見るときに、フィルターがないですよね。私の場合だと初めて会ってから、いい人に見えたり、いじわるな人に見えたり、つき合っていく中でいろんなことが起こるんですけど。ばななさんは「この人はこういう人」という判断がなく、ありのままの姿が見えていらっしゃるように感じます。
ベティーさん どんな人にも信頼があるように感じますね。
ばななさん 基本的には、あまり人を良いと思って見ていないんですよ(笑)。けれどもその人の一番いいところに、最初に気づくようにしています。
状況に入り込んでしまう!
ベティーさん 私から見ていると、孫娘はお母さんが心配してくれるような役を演じているように思いますよ。私の前ではそういうことを一切しませんから。子どもは繊細なバイブレーションを感じ取りますから、それに見合った行動をするんですね。
アイリーンさん 子どもを通して私自身を見ているんですね。
子どもたちは毎日すごいスピードで成長しているので、できるだけ私の曇りを取っ払って、健やかに生きていってほしいと思っているんです。だから、嘘をつくのをやめたいと、今とても強く思っています。嘘をつきたくないと思うことはありませんか?
ばななさん 仕事の中で思いました。このまま職業としての小説家の生き方を続けられないと思っていたんです。10年くらいかけて仕事のやり方を変える実践をしました。
その過程で一番辛かったのは、やはり人の目でした。「そんなことして大丈夫なの?」という声や「今までのようにやろうよ」という空気。「空気を読む」ということをしていたら耐えられなくて、変えられなかったと思います。「みんなでこうやっているんだから、自分もそこから抜けちゃいけない」という気持ち。それが私にとって、自分に嘘をついていたことだと思ったんです。
お付き合いのある他の作家の方のやり方を見て、変える決心ができました。いつか誰かが私を見て、同じように自分に正直に生きることを決心してくれたらいいなと思います。
アイリーンさん ばななさんの姿を見て、いつも挑戦しています!ばななさんはいつもブレないですよね。一緒に旅行をしても、いつも落ち着いて対応されています。
ばななさん そんなことないですよ! 慌てることには自信があります(笑)。そういえばちょうど先日、慌てることについて気づかされることがありました。息子と海に行って、ギリギリ足が立たないくらいの深さのところにいたんですね。そうしたら、近くでお父さんと息子さんがやってきて、波もないのにボートをひっくり返しちゃったんです。「助けてくださーい!」と大声をあげていて。子どもはウエットスーツを着て、シュノーケルも身につけているんです。初めはふざけてるのかなと思ったのですが、その人たちは真剣で。私は助けに行って「お父さん、落ち着いてください」と声をかけましたが、すごく息を切らしていて。これだけ慌てていたら、おぼれるかもしれない、と思いました。なんでもないと思う余地がなかったんだろうな、と。パニックとか慌てるというのは、その状況に全身で入り込んでしまって、外から見た様子がわからなくなる状況なのかもしれないと考えさせられました。
ベティーさん 自分の中にある潜在意識や信念のようなものが、現実に現れているというように感じますね。
アイリーンさん 私も小学生の頃、インストラクターの方を先頭に水上バイクに乗せてもらったんです。私と弟は普通に乗っていたんですけど、ベティーさんが「大丈夫?」と何度も言ってきて、どんどんパニック状態になってしまって。そうしたら、本当にベティーさんのバイクが柵に激突しちゃったんです。ベティーさんは「子どもたちは危ない」というストーリーの中に入っていってしまったんですよね。
ベティーさん 自分の中の恐れが投影されると、すごいことが起こっちゃうんだと思いました。自分なりにクリーニングして整えてこられたと思います。(次号に続く)
(文責:太田 陽子)
(『元気な暮らし』2019年12月号掲載)
2008年にSITHホ・オポノポノアジア事務局を設立し、日本に初めてホ・オポノポノを紹介。コーディーネーターとして世界各地にてクラスを運営し、日々クリーニングを実践している。
作家。10年ほど前にホ・オポノポノに出合い、クリーニングを実践。ヒューレン博士やKR女史と対談も行う。内側の声に耳を傾けることで自分とつながりやすくなることなど、さまざまな体験をしている。
SITHホ・オポノポノアジア事務局の広報担当として日本をはじめアジア各国の講演会の際に講師に同伴して活動。ヒューレン博士やKR女史のそばで学んだ経験をシェアする講演活動を行っている。
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当記事に関して
※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
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