吉本ばななさんとのトークイベント(2)
今回は8月に東京で行われた吉本ばななさん、平良ベティーさん、平良アイリーンさん、3人のトークイベントからホ・オポノポノのとびきりのエッセンスをお届けします !
前回の吉本ばななさんとのトークイベント(1)は、こちらをご覧くださいませ。
流れを操作しない
平良アイリーンさん(以下、アイリーンさん) 初めての子を産んだとき、ばななさんが「流れを操作しないといいよ」と何度も言ってくださいました。
「新しい流れが目の前にあるのに、流れとは違うものを無理に持ってくるからうまくいかなくなるのよ」とおっしゃって。
例えば、まだ小さい子どもがいるのに、新しい仕事を始めようとしてバタバタしたりしていたんですね。「今、目の前のことに集中する」ということを教えてくださったので、実践してすごく楽になりました。
吉本ばななさん(以下、ばななさん) 赤ちゃんも意外と気づいているんですよね。放っておくと、自然と時間が生まれるんです。2人の子どもがそろって寝ていたり。そういう瞬間があるから、なんとかなるだろうって思っていた方がうまくいくんですよ。「頼むから寝てくれ」って思っても絶対寝ないですよ(笑)。
アイリーンさん 子どものことに限らず、私は計画するのがとても苦手です。「こうしよう」と思っていても、計画していたことの10倍ぐらいやらなきゃいけないことが出てきたり…。ばななさんは流れを読む達人で、スムーズに進められるんです。旅をしていて「ここに行こう」と決めていてもサッと変えることもできますよね。
ばななさん 流れがあると楽になれるんです。誰もがんばらなくていいというか。
平良ベティーさん(以下、ベティーさん) ばななさんからは「何も期待しないのに、すべてがうまくいく。」そんな宇宙に対する深い信頼が感じられます。
ばななさん そうですね。逆に、宇宙や自然以外に信頼できるものは何もないと感じています。
また、私はホ・オポノポノでいうところのウニヒピリは自分の「からだ」だと捉えているんです。もちろんそれが正解ということではないのですが、からだが自分の中で一番自然に近いものだと感じているんですよ。ですから、からだに任せておけば基本的に間違いはない、と信頼しています。
空気を動かす
アイリーンさん 今苦しんでいる家族や友達が目の前にいたら、どんなアドバイスをされますか?
ばななさん 自分のことばかり考えていたら、人は病気になるようにできていると感じます。だから、少しでも人のことを考える時間をとってみるといいんじゃないでしょうか。「あの人は今日どうしているかな」「あっ、この草が枯れそうだな」とか。自分のこと以外のことを考える時間が減ると、外からエネルギーが入ってこなくなるんですよ。例えば悩みごとを友達に話し続けて、その後に「あれ、私辛い話ばかりしていたな。今日会った人はどんな気分だったろう」と思ってみたり。そんなふうに思えれば、変わってくるのではないでしょうか。
ベティーさん ばななさんはそんな悩みごとをずっと聞いていられますか?
ばななさん 聞けないですね。「悪いけど、せんべい食べてもいいかな」とか言っちゃいます(苦笑)。
ベティーさん 周りの人がそういう関わり方をすれば、そこまで沈まないでいられるように思います。
ばななさん 自分のペースを守るような関わり方というのでしょうか。例えば「悪いけど、もう2時間聞いてるから、ワインをおごって」と言う。そうすると、相手もちょっとハッとしたり、激怒したりして、空気が動くんです。この「動き」がとても大切だと思います。
アイリーンさん 空気を動かしてくれる人が傍にいるってとてもありがたいですね。
ベティーさん そのときにばななさんは「自分に正直に生きる」というところからぶれていないので、相手にもそれが伝わるんですよね。
アイリーンさん 思考は粘着力があるんですよ。それに酔ってしまうと、なかなかそこから抜け出せないです。腹が立つような大きな感情が湧いたおかげで、逆にその思考からスッと抜けられるという経験は私にもありました。
ちょっとのケアが大事!
アイリーンさん どれだけ夢に見ていた仕事に就いたとしても、やりたくないことも出てくると思います。そんなときは、どうされていますか?
ばななさん そうですね、例えば、私は出版社での打ち上げパーティーが苦手なんです。社長さんや営業の方がいらっしゃって立場に応じて動かないといけなかったり、引き受けられない仕事の依頼をされたりするので、気疲れしてしまって。そんなときは少しトイレに行ったり、廊下に出たりして席を立ちます。そこで「いやーキツイな」と言ったりするんですよ。そうすると、からだは「もうちょっとだね」と反応してくれます。「味方がいてくれる」と思えて平和な気持ちになれるんです。
ベティーさん そのウニヒピリへのちょっとのケアで、全然違いますよね。
ばななさん あと、深呼吸したりします。意外と植木鉢を蹴ったりはしないですね(笑)。
アイリーンさん そのちょっとのケアをいかにしてこなかったかを、私はホ・オポノポノをするようになって実感しました。ちょっとのケアさえしていれば良かったのに、逆にその感情を見ないことにどれだけエネルギーを注いできたか。
ばななさんのように、人に見られていない時にウニヒピリを大切にしている人は、現実世界の中でも動き方が違うと感じます。
ばななさん そうですね、「人の期待に応えられない自分」に対する罪悪感というものが出てくることがありますよね。「仕事を私が引き受けないと、営業さんは後で怒られてしまうだろう」とか思ってしまうんです。ものすごく「すまないなぁ」と思います。ですが、そのときに自分の本当の気持ちを汲んであげないと、後で破綻するのは見えているんです。だから、頑張ったんですね。
それと、自分にごほうびをあげることもウニヒピリのケアになると思います。蕎麦屋に行こうとか、1枚服を買って帰ろうとか。
アイリーンさん ベティーさんもごほうびはよくやっていますよね。
ベティーさん アイスクリームを食べる、好きな喫茶店に行くなどをしていますね。ウニヒピリのケアをしている同士だと、お互いのウニヒピリが仲良くなるという体験を多くしています。ウソをついている人は、なんとなく合わないんです。自分では隠しているつもりでも、相手には全部わかってしまう。そう体験して以来、自分のケアを大切にしています。ぜひ皆さんもご自身のケアを大切にされてみてくださいね。
(文責:太田 陽子)
(『元気な暮らし』2020年1月号掲載)
2008年にSITHホ・オポノポノアジア事務局を設立し、日本に初めてホ・オポノポノを紹介。コーディーネーターとして世界各地にてクラスを運営し、日々クリーニングを実践している。
作家。10年ほど前にホ・オポノポノに出合い、クリーニングを実践。ヒューレン博士やKR女史と対談も行う。内側の声に耳を傾けることで自分とつながりやすくなることなど、さまざまな体験をしている。
SITHホ・オポノポノアジア事務局の広報担当として日本をはじめアジア各国の講演会の際に講師に同伴して活動。ヒューレン博士やKR女史のそばで学んだ経験をシェアする講演活動を行っている。
ブログ Aloha!
当記事に関して
※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
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