クリスティーンさんへのインタビュー(4)
今回は、長年講師としてご活躍のクリスティーン・レイマカマエ・チュウさんにお話を伺います。
(前回の続き)
「ありのまま」をジャッジせず優しく労わる
―― モーナ女史も講師の方々も特別ではなくて、自分自身に向き合ってケアし続けることが大切というお話でした。
苦しくてもイイ人を演じ続けて我慢したり、内に溜め込んでがんじがらめになってしまうときや、インスピレーションを実行に移せず悶々とするときのコツは、内側のありのままの感情をまず受け入れて、労わって「どうしてそう感じているの?」と優しく自分に向き合って、奥底にある本当の思いを引き出してクリーニングする。それに尽きるんですよね。
クリスティーン・レイマカマエ・チュウさん(以下、クリスティーンさん) 本当にその通りですよね。そうしてインスピレーションから発する言葉は、それが何であれ愛なのだから大丈夫なんです。叫んだ言葉でさえも結果的に「その言葉が聞きたかったんだよ」ということもあります。「もしもあのときクリーニングをせずにいたら?」と振り返ってみると完全に道を見失っていたと思えるくらい、ホ・オポノポノのない人生なんて想像もつきません。
クリーニングの大事さがわかっていてもなお、挫折してイライラが止まらなくなるときもある。もちろんインスピレーションでイライラしているんじゃなくて、単にイライラしてめちゃくちゃな状態に陥るときもあるわけです(笑)。それでも幸いなことにちゃんと次のチャンスは巡って来るものなんですよ。
自分自身のあり方を調える
―― 保守的でマナーを重んじる性質が強いと、内側の自分らしさを認めてそれを表現したり、自分を優先させたりするのは難しいのかもしれないと感じます。人はとりまく環境によって大きく影響を受けるものなので、「日本文化や日本のアイデンティティ」や「子ども時代に両親から受けた影響」もクリーニングする。ホ・オポノポノでは、「私自身、そして家族と親戚と先祖代々に遡ってクリーニングする」ことを伝えているので、この点についてお話いただけますか?
クリスティーンさん 子どもたちの話に戻ると、彼らはいつでも親を見ていますよね。ですから周りの目を気にするのではなく「ありのままの自分自身」を心地よく感じられるようになって殻を破っていく、自分自身のあり方を調えていく様子を見せることで、子どもたちもありのままの自分を認めてその快適さを感じられるようになる。愛ある自己表現を少しずつできるようになっていける。頭で考えてしまうことも多いけれど、そこに対して私が否定的だと、子どもたちも同じ穴に陥ってしまいかねません。まずはゲームをするように楽しみながら「私から始めるんだ」と言い聞かせるんです(笑)。親である私が自分自身として存在できなかったら、子どもたちもそれがわかりませんよね。
そして殻を破るときの心配や不安に気づくことです。気づいた小さな不安をクリーニングする。「インスパイアされたことを表現しないで留めているものは何か?」「言わなかったのはどうして?」その一点をクリーニングする。そして自分に向き合うことは大切だけれど、厳しく接するのではなく、本当に優しく優しく自分自身を扱うことです。「自分をケアして癒しなさい」というのは、表面的なことではなくて深いところまでね。
たとえば常に人の目を気にしていたら、自分自身については置き去りです。家族でテーブルを囲むときにはちゃんとご飯をつくるのに、一人だけだったら猫まんまみたいなもので済ませて粗雑に扱いがちになるものです。家族がいてもいなくても、自分自身のためにテーブルについて、自分らしさとは何かを意識する。いつだって誰かのために何かをすることには一生懸命になっても、自分自身に対してエネルギーを注いでいない。そういう日常のことから自分をケアすることが重要なんです。
―― いつも逆のことばかりしていますよね(笑)!だから怒りや恨みを溜め込みやすいんじゃないかと思います。
クリスティーンさん そう。どこまで行っても問題は「彼ら」じゃない。それを手放していくと、子どもたちは正しく行動して、正しい時間に戻ってくる。子どもたち自身もちゃんと自由な意思で動きまわる余裕を感じられるようになります。
「許せない」は、自分を置き去りにしているサイン
クリスティーンさん ティーンエイジャーの子どもたちが父親と過ごしているとき「ちゃんと宿題やったのかしら?」「ちゃんとご飯を食べているのかしら?」と心配が膨らんだとき、ハッと立ち止まって「どうして外に心配を投影して、自分をなおざりにしているの?」と自問する。ちゃんと自分自身を優先的にケアしていたら、子どもたちは大丈夫ですよね。息子は敏感で鋭いので、私が自分をおろそかにしていると「ママ、大丈夫?ほんとに大丈夫なの??」と電話で確認してくるんです(笑)。彼はとってもユニークで、「自分を見ること」「自分自身に対して優しく接してあげること」を思い出させてくれます。私たち母親がちゃんと自分をケアしていれば、子どもたちは大丈夫だし、大丈夫になる。すべてがうまく流れていく。私自身のためにもこのことを強調しておきたいですね(笑)。
―― わかります!日本では、「母子はいつまでもへその緒がつながっている」と言われるのですが、だからこそお母さんがクリーニングする。うちの息子も同じで、「ママが自分を大切にしないで誰が大切にするの。自分の幸せをつくるのは自分だよ」とか、急に電話をかけてきて、「ママ!ママの抱いている僕に対する罪悪感を今すぐに手放して!今!すぐ!」と言ったりします(笑)。手放すことが大事ですよね。
クリスティーンさん 母子の間に導線(コード)があることに、子どもたちは感覚的にわかっているんですよね、お互いが近くにいても離れていても母子はいつでも一緒なので、子どもたちも母親である私たちを見ている。私たちが囚われや心配を手放して「自分自身である」ことにもっと許可が出せたら、自分を許していけたら、子どもたちももっと自由になっていけます。
―― 今回のテーマである「許せない」に戻ってきました。「ありがとう、愛していますのほかに、どうしてごめんなさい、ゆるしてくださいと言わなくちゃいけないの?」という質問がよくあります。「ごめんなさい」「ゆるしてください」についてクリスティーンさんはどう感じていらっしゃいますか?
クリスティーンさん 私は4つの言葉が大好きです。「私自身の中にある、このイライラや怒りや恨みを招いている原因についてごめんなさい、ゆるしてください」ですから、外側に対しての言葉ではないですよね。「私自身の中にあるこの原因について(神聖なる存在に対して、苦しんできたウニヒピリに対して)どうか許してください。この外側との問題に繋げている私自身の原因を消去したいのです」と常に自分自身に戻ることがとても好きですし、私だけがそれを手放して自分自身を自由にして、心配や恨みから自由になることができるということですよね。
―― 「許せない」というのは、人のことしか見ていない状態がほとんどですが、自分自身が置き去りになっていることを教えてくれるサインなのですね。正直に自分を許して本来の自分自身に帰っていくこと。自分を愛することなのですね。本日はありがとうございました。
(文責:高木 みのり)
(『元気な暮らし』2022年9月号掲載)
クリスティーン・レイマカマエ・チュウ
1998年に初めてSITH®クラスに参加して以来クリーニングを実践し、現在はアメリカとカナダで講師を務めている。3人の子育て、建設会計で2つの仕事、クリーニングを通して人生そのものを実用的な側面にも応用している。
当記事に関して
※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
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