アイリーン・シュウォネックさんへのインタビュー(1)
今回は、イハレアカラ・ヒューレン博士の元でクリーニングを実践してこられた講師の一人、アイリーン・シュウォネックさんにお話を伺いました。
指図ではなく「手本を見せる」こと
―― アイリーンさんは、テレビ局で子ども向けの教育番組制作プロデューサーを30年なさっているとのこと。今、世界中どこにいたとしても旧来の価値観や教育システムのなかで葛藤を抱える子どもたちが増えているのではないでしょうか。そこでまずは子どもにまつわるクリーニングのご経験を伺えますか?
アイリーン・シュウォネックさん(以下、アイリーンさん) 私にも娘と息子がいますので同じように苦しんだ時期があります。ですが教育システムの新旧に関わらず、どんな状況に直面しても、自分が何を感じてどう対処しようとしているのかに焦点を当てることが重要です。つまり「状況と取っ組み合おうとしている」のか、クリーニングを通じてディヴィニティに完全に明け渡して委ねるかの二択で、クリーニングは後者ですよね。
―― 「この問題は教育システムが古いせいだ!」ではなく、自分自身が抱えている感情や思考を内省して消去することで、開かれる現実を歩むのがクリーニングでしたね。
アイリーンさん 親としての心配事は子どもがいくつになっても尽きませんよね。たとえば息子が長距離運転すると聞けば交通事故の不安が出ます。娘夫婦はバンコクにいるので、元気でいるかと顔を見たくなりますし、さまざまな想いや考えが常に湧きあがってきますよね。どんな感情や考えが浮かんだとしてもクリーニングすればいいのですから、心が強くなりました。
もともと私は子どもたちにあれこれ指図せず、言動がお手本になるよう自分を律することを心掛けていたんです。その信条がホ・オポノポノを知ったおかげで一層シンプルで楽になったと感じています。
実は子どもたちが幼い頃に離婚して、シングルマザーとして育てるなかで、経済的な理由で大学に進学させられない自分を責めたこともありました。ですが、クリーニングのおかげで二人とも自然と就職先に恵まれて、たとえば息子は社会人を経て大学、大学院に進学し、博士への道を歩んでいます。とにかく家族にまつわって徹底的にクリーニングしたことで、どんな状況でも個々のアイデンティティに適した道が開かれることを体験したんですね。
―― どのように「家族」のクリーニングをしたんですか?
アイリーンさん 知りうる限りの家族の名前を、具体的に書き出してクリーニングしました。イタリア系の血も流れているので、その親族も含めましたし、元夫の家族についてもご両親や義姉をはじめとしてわかっている限りすべての人々、一人ひとりに対してクリーニングしました。彼に離婚を切り出したのは私なので、彼と彼のご家族を傷つけた思い、抱えてきたさまざまな思い、特にネガティブなものを何年にも渡ってクリーニングすることで、今では傷つけるような思いを一切持つことなく、お互いの関わりに平和と愛と感謝が芽生えて、大切にできるようになりました。
離婚から「無条件の愛」を知る
―― クリーニングによって内側に平和がつくられることで、現実も応じて平和になっていく。自分事のように伺っていました。実は私も離婚をしたのですが、とにかく自分自身に向き合ってクリーニングして、途中は泥沼の喧嘩状態だったときもありますが、穏やかで親友以上の関係になることができました。その過程で、私自身のなかに潜んでいた「相手をコントロールしようとする」記憶、しがみつく記憶など、浮上してくるあらゆる膨大な記憶をクリーニングしたんです。なぜか家父長制度の頂点に君臨しているような典型的な男性に遭遇する機会があったときにも、「何事も外側に原因はない!」と自分に言い聞かせてクリーニングし続けたんです。
アイリーンさん 離婚という形をとることになっても、手放して消去したいのは彼との間にあるプログラムや記憶ですよね。彼本来のアイデンティティーとのつながりまで失いたくないですし、本来あるべき関係性を構築したいからこそですよね。明確になるまでクリーニングなのですね。
―― 「離婚」というと、争うことに終始しがちでモメたりネガティブなイメージがつきまといませんか?でもそうではなく、自分らしさを生きるための選択なんです。
アイリーンさん 結婚制度の根底にあるギブアンドテイクで条件づけられた婚姻関係と感傷的な愛は、永遠に続くものではありません。必要なのは無条件の愛なのに、失う恐怖に苛まれ続けるようなもの。出会った当初の恋愛は、お互いに魅了し合うプログラムが働いて、一緒にいてくつろげるように思って結婚しても、日常では根底に期待のプログラムが働いています。私は特に「期待」をクリーニングしました。たとえば私はイタリアびいきだったので、イタリア人の元夫に飛びついて、すぐに結婚したんです。ところが私自身がものすごく大きなエゴを抱えていたために、エゴを満たすために何でも自分の思い通りに行動して外側に求め続けたのです。結果的にエゴのなかった彼にもエゴを満たすように求めて、彼を傷つけて破綻しました。当時は、彼の存在の意味もわかりませんでしたし、私や子どもたちに与えようとしてくれていた愛もありのまま受け取ることができませんでした。愛は目に見えるものでも、食べられるものでも、便利使いできるものでもありません。離婚を決めて、何でも私自身の力でやっていくんだ!と意気込んでいましたが、30年を経て、私こそがエゴで盲目になっていたことに気づいていきました。クリーニングが進んだ今は、彼が私にとってどんな存在で何を与えようとしてくれていたのかを理解できるようになり、心の通い合う友人として毎週のように会っていますし、連絡も頻繁に取り合っています。彼の両親は高齢で持病もあるので、いつもどうしているかと気遣うようにしています。子どもたちを含めたひとつのユニットのような関係性ができて、人生の一部になっていったんです。たった数年でこのような関係性になれるだなんて、想像すらできなかったですけれど。
―― 素敵。たくさんクリーニングしたのでしょうね。
アイリーンさん それは本当に、ものすごく(笑)。
(次回に続く)
(インタビュー:高木みのり)
(『元気な暮らし』2020年8月号掲載)
アイリーン・シュウォネック
ドイツ出身。2009年よりイハレアカラ・ヒューレン博士の元、SITHホ・オポノポノを実践。ミュニック(ミュンヘン)の民放テレビ局の教育チャンネルにて長年プロデューサーを務め、同時に作家、ロミロミセラピストとしても活動している。
当記事に関して
※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
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