モミラニ女史へのインタビュー(6)
ホ・オポノポノ講師としてクリーニングをされているモミラニ・ラムストラム女史に、引き続きお聞きしました。
本当の、人との出会い
―― 前回に引き続きお話を伺います。私自身がルールでウニヒピリを縛ってきたのはわかりました。でも「ルールは守らなくてもいい」ということでもないですよね。
モミラニ女史 もちろんその通りです。クリーニングは、言いたいことを我慢することではありません。たとえば誰かルールを守らない人を見て、言葉をかけようと思います。でも、あなたにとって、そして誰かにとって、何が一番正しいのかということは誰にもわかりません。だから、「こうしよう」と思ったら、それをクリーニングする。
インスピレーションで話したいことが出てきたら、そこもクリーニングする。そして話す時がきたら話すんです。記憶からではなく、インスピレーションから話すことで、目的に沿ったことが起こるんです。
―― …私にはすごく難しそうです。
モミラニ女史 難しいことですよね(笑)。ホ・オポノポノの創始者・モーナさんは、「口から発言する言葉を、ちゃんとはかりなさい」といつも言っていました。「目的ある言葉だけを発しなさい」ということです。ほとんどの人は「言葉の下痢」状態で、思っていることをすべて口に出してしまいます。でもほとんどの場合、それは目的につながっていません。クリーニングして、話すときは目的をもって話すんです。
―― 書籍『ホ・オポノポノ ジャーニー』を読ませていただいた中にも、「話すことをクリーニングしながら」という文章が出てきて、私もこのインタビューでは、トライしてみよう! と思っていましたが…実際には至難の業です。
モミラニ女史 できることとしては、その予定がわかった段階で、前もってクリーニングしておくのです。このインタビューも、日取りが決定したその時点からクリーニングを始めました。この対面の中で、あなたのインスピレーションで記事をつくることを、「私」という存在が邪魔をするのを避けるため、前もってクリーニングして、ゼロの状態で挑みたいのです。私の顕在意識であなたの顕在意識に話しかければ、言葉と言葉のぶつかり合いにもなりかねません。あなたと私の潜在意識、ウニヒピリ同士が触れ合って、気持ちいいな、愛しているな、ということが起きて、初めて物事が動くわけです。きれいな言葉を並べるより、潜在意識で「アイラブユー」という気持ちになったとき、本当の意味で何かが生まれます。あなたが私の言葉を何ひとつ覚えていなくても、なにかあの人といて気持ち良かった、ということが残ること。これこそが、本当の人との出会いなんです。
―― これまでの記事は、講師の先生方のクリーニングのおかげで成り立ってきたのですね…改めて、感謝いたします。
アイデアは、クリーニングして育てる
―― 話す、ということはとてもクリーニングが必要なのですね。私は主人が週末しか帰ってこないので、ウィークデーは電話で話しますが、信じられない行動をする人の話ばかりで、「もう、その人と付き合わないでよ!」とか、感じたことを「下痢状態」で、全部口に出していました。これもクリーニングできたんですよね。
モミラニ女史 そうですね! そのとき大切なことは、「相手のためにしている」のではなく、あくまでも「私の記憶」をクリーニングしているのだ、という立ち位置で行うことです。ご主人のためにとか、ご主人の問題を自分が代わりに、ということでクリーニングするのではなく、ご主人が話していることについて反応する「私の中にある記憶」をクリーニングするんです。ご主人を助けてあげたいとか、そういう気持ちがあったら、それもクリーニングすべきことです。私たちは「自分が体験していること」だけをクリーニングしたい。それによって、自分の体験そのものが変わってくるんですね。
「これが事実」、という現実はありません。すべて、一人一人が体験していること。あなたの目の前に起きていることで、自分が感情的に動揺しているなら、それはクリーニングすることを見せてもらっているわけです。何か事件があって、それに「反応」しているのはウニヒピリです。それを見逃したくないのです。誰かの話で、不快な気持ちになる。ニュースを見て、老後について考える。からだが不自由になったら、お金が足りなくなったら、醜くなったら、死ぬとき一人だったら…それらの不安は全部、今ニュースを見たから起きたのではなく、自分の中にもともとある記憶で、すべてクリーニングできることなのです。
人生の目的は、達成や成功ではない
モミラニ女史 話す、ということでいえば、自分が何か新しいことをやろうと思ったときは、そのアイデアを他人に話さない方が良いですね。聞いた人たちそれぞれの判断や妬みなど、いろんな記憶が引っかかってくるからです。新しい企画というのは、新生児のようにデリケートです。判断というのは矢のように痛い。成長する前に、それらに刺されて消えてしまうこともあります。
クリーニングしながら、ある程度そのアイデンティティが独立できるところまで成長させ、そのうえで発表すれば、そのものに意志が備わっているので、誰かの判断を受けても乗り越えられます。その過程にあるときは、たとえば家を買う、というようなことを決めたとしても、人には言わないことです。
―― 成長させるところまで、具体的にはどのようなクリーニングができますか。
モミラニ女史 私でいえば、仕事がホ・オポノポノ講師でもあり、大学教授でもあり、出版会社ももっていて、音楽の教科書をつくったり、演奏用の道具をつくって売ったりと多岐に渡っています。それぞれにおいてクリーニングすべきことをリストにし、ファイルしています。こういうプロジェクトをしたい、商品をつくりたいなど、なんらかの発想があれば、それも紙に書いてクリーニングしたり、クリーニンググッズと一緒にファイルに入れておいたりしています。クリーニングはウニヒピリの協力があってのことなので、一緒にクリーニングしようね、と確認する意味でもリストは役立っていると思います。ウニヒピリを置いてきぼりの気持ちにさせるとまずいのです(笑)。
何かアイデアがあれば、それにまつわることをできるだけ細かくクリーニングする。それこそが、私たちの人生の目的であって、そのアイデアの達成や成功が目的ではないのですね。目の前にあることをクリーニングすることが、私たちの使命なんです。
クリーニングすればするほど泥まみれになる、という体験ももちろんあります。たとえば透明に見える池があって、でもその水をどかすと底には泥がたまっている。私たち人間には、水に浮いているゴミをクリーニングしたら、下は透明であるべき、という期待があります。でもその期待が、池に泥をさらに増やすことになる。でも、どういう状態でもその体験をクリーニングすることで、水から泥が消えて、透明になっていきます。一瞬一瞬、自分の感じていることを手放していきたいのです。
―― 本当に、その期待を手放していきたいです。今回もありがとうございました!
(文責:滝澤 朋子)
(『元気な暮らし』2016年3月号掲載)
Wave Media LLC最高経営責任者。音楽教材の著者でもあり、サンディエゴ・メサ・カレッジの音楽科主任教授として音楽論、聴覚発達教育家の中で日々教鞭を取る。1983 年、ハワイにて「SITHホ・オポノポノ」を初めて学んだ後、創始者の故モーナ女史の元でスタッフとなり、1985年よりマスタートレーナー・ヒューレン博士の元で50以上のクラスを担当。29年間で500を超えるクラスでトレーナーとして活動している。
当記事に関して
※当記事は(株)トータルヘルスデザイン発行の無料月刊情報誌『元気な暮らし』に掲載された記事を元に再構成をしております。
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